2006.7.15 (土) 劇団・濤公演「孫三郎の柳」

ミュージカル観劇仲間でもあるMさんが所属している隣町の劇団「濤」(なみ)の
二年ぶりの公演。
場所は、西目公民館シーガル。二回公演の二回目。18時〜。

この劇団、シーガルの杮落としで公演するために集まった町民の有志が元の劇団で、
今年で8回目の公演となる。
この劇団のモットーは「西目」の伝説や、民話、本当にあった話などをモチーフにオリジナルで脚本を作り、言葉も西目弁(秋田弁)でのお芝居にするというのがあるらしい。
実はワタシ、芝居がすきだということで、おととしの公演で出演のお話を頂いたのだけれど、
学校の試験も重なり、その上、西目弁とやらがまったく使えない、いや、通じないのでお断りをした。
わざとらしい方言を使った芝居では地元の人に悪いというのもあるし。
台本も頂いたんだけど、前日のゲネプロを見て台詞の理解ができなかったので、これはキツイなという感じもしたし・・・。

さて、そんなことはいいとして。

今回の芝居の話。本当にあった話らしいです。

幕があくと、柳の木の下で拝んでいるおばあさんがいる。
そこに、小学生の男の子と先生がやってくる。
この時点では昭和30年くらいを設定にしてるらしい(←これはMさんからの助言)
・・・この柳の木の由来を話し始める。

子供は本当の小学生の男の子。
一番、声が届いてかも・・・元気がいいな。という印象を受けた。
先生の声はまぁまぁ聞こえるけど(先生をやってた女優さんはこの前オペラ座一緒に行ってるJさんなんだけどね・・・・)、
おばあさんにいたっては何を言ってるのか・・・西目弁で早口なせいもあるけれど、声量に問題ありかと。
わからないまま・・・暗転になりました。


暗転後、
時代は約180年前の江戸時代になり、西目潟を干拓して田んぼを作るという工事の場面に。
村民が工事の話で何やかんや言ってるところに、旅の僧侶が現れ、この干拓工事について
色々聞き出している。
一通り話し終わると、僧侶はお腹が痛いらしかったが、先へ進むと言って旅を続ける。
そこへ別のところで仕事をしていた女たちが戻ってきて、僧侶の噂話を始める。
さぁ、帰ろうかというところに、僧侶を担いだ若者が来る。
どうやら僧侶は行き倒れたらしい・・・・。

そうこうなりつつ、干拓工事は続く。
わらを運び、俵を作る・・・その作業の中で、この工事には「人柱」が必要だという噂が出てくる。
なんでも、工事が進まないのはこの付近に住んでいる龍神の祟りなのではないかということなのだ。

この場面、女たち(おばちゃんたちですが・・・)の雑談の場面なんだけど、
ごめんなさい、
まったく台詞が理解できませんでした。
早口過ぎる・・・っていうか、西目弁だし。ネイティブな人が話しているのでリアルなんだけど、
リアルすぎるのもどうかな?と・・・映像ならまだしも、舞台ではキツイ。それも声も聞こえないし。
ワタシ以外のお客さん、たぶん、地元の方々であろう。年配の方々だったけど、笑ってるのね、声を出して。
何で笑ってるのか、何が可笑しいのか・・・地元ではない、ワタシには理解できず。
言葉のわからない国のお芝居を観てる・・・自分はここにいてはいけないのかもしれない。
そんな感じがした。

場面はすすみ・・・
内容は干拓工事が進み、やはり、人柱をたてることになる。
人柱といえば若い娘っこ。この村には行き倒れた僧侶を看病していたお春という若い娘がいた。
母を早くに亡くしている。
人柱の噂話も耳にしていて、自分が犠牲になる・・・と言い出す。
僧侶が娘を説得させるため娘のあとを追う。

ここの場面は、感動的した。たぶん、クライマックスでメインであろう場面。
お春役の女優さん、結構、うまいかも。
地元の女の子かな?わざとらしい方言ではないから。でも、ちゃんとお芝居になっている・・・
そう、言葉がはっきりとわかる。
僧侶は江戸から来たってことになってるから方言じゃないしね。
龍神に身を投げるところではマイクでの声?(それとも録音?)か・・・
声は聞こえるし、言葉はわかるしいい感じ。
ただ・・・あの・・・薄い幕の向こう側にいた二人なんだけど、微動だにせず、ただ立ってるだけだったみたいで・・・、うーん。

結局、人柱になったのは僧侶。
いや、江戸幕府から使わされた隠密・・・。
龍神の怒りが納まる・・・
龍神が出来てきた・・・なかなかリアルな作り。
けど、誰か人が影になってる。惜しい・・・つーか、ウケた。
僧侶が食われたのかと。違うらしいが・・・。

娘は気が触れたように出てくる・・・。

最後は、干拓が成功し、娘も元気になり・・・めでたしめでたし。
だそうだけど・・・オイ、それでいいのか?(苦笑)
最初の小学生のシーンに戻してもよかったのでは?などと思ったりして。

裏事情を少し知ってるせいもあるけれど。(練習不足とか・・・)
ちょっと・・・チケ代高いかなぁ〜。

セットと場所代か。
セットの鳥海山の書割や、急いで作ったらしい龍神はすごいと思った。
あれだけのもの、壊すのはもったいない。
っていうか、セットや音はいいのに・・・いろんな意味でもったいない芝居だった。

*追記*
次回公演は、もっと演技(発声、動き、台詞の間など)がうまくなっていることを願う。<劇団・濤公演 西目潟干拓物語「孫三郎の柳」>
2006.7.15(土) 18:00
西目公民館「シーガル」 全席自由