2005.11.19(日)林隆三 朗読公演


隣町の公民館に有名人が来る。
それも、大好きな「宮沢賢治童話」の朗読会だ。
ってなことで、この日、休みを取り、行くことにしていた。

有名人の名前は「林隆三」さん。
俳優さんだ。
最近はナレーションもやっていて、声は特にステキだ。
有名人…と書いたけれど、ワタシの周りでは「知らない誰それ?」という人が
多く、芝居関係者に言われたのは、ちとショックだったかも(苦笑)

ちなみに、主な出演(作品)は、
最近で有名なのは映画「解夏」だろうか…。
「たけしクン、ハイ」(ドラマ)のたけしの父役なんかは印象深い。
色々調べてみると、原田知世主演の「早春物語」や、
ハングマンや必殺のシリーズにも出ている。
懐かしい。

それはいいとして。

この日の朗読は二作品。
「虔十公園林」「鹿踊りのはじまり」
宮沢賢治の作品は好きだけど、全部は読んだことがないので、
どちらも始めての作品。
あの渋い声での朗読となれば、楽しみでした。

舞台の幕はすでにあがっていて、朗読はすぐに始まりました。
何か挨拶あるのかと思ったんだけど…ちょっとビックリ。
朗読といっても、身振り手振りをつけ、
1人芝居のような感じで話しは進んで行きます。
…とそのとき。

ヾ(゚∇゚*) オイオイッ
誰だよ、携帯鳴らすのは!!!
そう、始まる前に、よくある注意事項のアナウンスが流れてなかったかもしれない。
っていうか、注意される前に、観る側としての常識だけどね、携帯の電源を切るなり、
マナーモードにするのはさ。
こういうところ、「イナカもん」だな…みたいな。
それも、途中退室して、電話に出るし…(^^;
あのね〜、それってかなり失礼です。
今後はそういうことしないで欲しいですね。

と、ちょっと、気があらぬ方へ行っている間に
話はドンドン進みます。

「虔十公園林」
というお話は、虔十といういつもはあはあと笑っている少年が
周りに反対されつつも、どうにかして、杉林を作って育てるところから始まります。
彼が亡くなったあと、そのあたりは町になるものの、その林だけは残っていて、
子供たちの遊び場になっていた。
それをみた虔十が杉を育てていたのを子供のころに見て知っているという
地元出身の有名な博士がその林を「虔十公園林」と名づける。
というもの。

林の中で遊ぶ子供たち、それを楽しそうにはあはあ笑っている虔十。
そんな情景が浮かんできました。
そして、たぶん…
他の人はそうは思わなかったのかもしれないけれど、
なぜかワタシは涙してたのでした。

たぶん、活字で読んだだけでは、そうはならないと思うんだけど。
何故だろうなぁ〜(^^;

一作品が終わり、
どこぞの司会者の女性が出てきて、軽くトークを。
といっても、かなり気さくな林さん。
東北弁との関わりについて話してくれました。
両親とも山形の人で、仕事の関係で関東へ行ったあとでも
特に母親は山形弁のままで過ごされたそうで、
そのときに話してもらった昔話の記憶が忘れられずにいるっていうことで、
東北弁には愛着があるということでした。

そして、休憩。

二つ目の作品は「鹿踊りのはじまり」
村人嘉十が、山道で栃の団子を食べたさい、
食べ残しの栃の団子を動物のためにおいていく。
しかし「手ぬぐい」まで一緒に置いてきてしまう。
それを見つけた鹿たちが「手ぬぐい」を巡ってグルグル廻り、
何やら探りあいをしている。
嘉十には何故か、その鹿たちの声が聞こえてきて…。

というなかなか楽しい話で、
鹿が6頭出てくるんだけど、この鹿の一頭づつ、違う個性を引き出す語り口。
役者だなぁ〜と。

でも、1番、スゴイと思ったのはやっぱり声量。
ミュージカル「エリザベート」を観たときの感想にも書いた、
山口祐一郎さんにマイクはいらないという話。
そのまま、そっくり林隆三さんにも当てはまる。
かなりビックリした場面があった…。

舞台もやっている人だから、当たり前といえば、当たり前なのだけれど。
やっぱり、そういうものを目の当たりにすると
あぁ、自分の声は…?と思ったりして。
常にストレッチは欠かさないとのこと。
体を柔らかくしておくことで、声の幅も出てくるとか…。
そういえば、劇団でも柔軟ストレッチは欠かせない。
キホンなんだなぁ〜と再確認したのでした。

二作目が終わり、またトーク
観客からの質問コーナー。
といっても、休憩中にプログラムに挟んである質問用紙に何か書いて下さいって
言っていたヤツだ。
あたりさわりのない質問…を司会の人が無理矢理進めている。
この司会の人、有名人慣れしてないのか、結婚式みたいな決まりきった司会ぶり…。
地元のDJとか、アナウンサーにすればよかったのに…。
林さんとイマイチかみ合わない感じの進行ぶりで、それが非常に残念。

無理矢理、押し進めて、ピアノの弾き語りへ。
・・・
弾き語りというか、弾きながら歌うというか。
ステキでした。

林隆三朗読公演・宮沢賢治童話の世界>
2005.11.19(土) 14:00
西目公民館「シーガル」
全席自由