2005.9.4(日) わらび座「響」〜西遊記より〜

地元秋田のプロ劇団「わらび座〜響(HIBIKI)〜」を観劇してきた。
劇…というより、音楽のライブに近い。
ミュージカルともまた違う。
ジャンルとしては「ミュージックパフォーマンス」というらしい。
舞台で演じる人が、楽器をひくミュージシャンであり、
生の効果音や、BGMを出す音響でもあり、
そして、役者でもある。

内容は、切ない思いを抱えながら生きている現代人の「リアル」な感情と
西遊記の中の孫悟空三蔵法師に仕えつつ、反抗したいそんな感情とを交差させながら
進んでいくというもの。
言葉にするには難しい…
奥が深いもののような気がした。

楽器を弾き、歌い、踊り、飛びはね、舞台狭しと走り回る。
そして、それぞれが、孫悟空三蔵法師を演じる。
パワフルで、すごい。
名の通り、「響」く。
ただ、内容とすれば…楽しい♪というより、考えてしまうものだったかな〜。
子供やお年寄り向けではないかも。
西遊記だけにすれば、わかりやすいけどね。

さて、芝居をやっている身としては、内容ばかりを見てるわけではない?!
盗めるものは盗まねば…ということで。
舞台そのものに関して気づいたことがいくつかある。

まず、場転。
照明とそれに見合った小道具、そして、踏み台をキャスト自身が動かし、
何もゴチャゴチャしたものはないし、そのために必要なスタッフなんかはいない。
前回、田沢湖芸術村でわらび座の「よろけ養安」を見たときも、
舞台道具の移動を役者がやっているのを目の当たりにした。
舞台上のスタッフの人数不足だと嘆く劇団をよく耳にするけれど、
台本、演出の工夫次第なのではないだろうか?と思ったりして。

そして、楽器の効果。
効果音が生音ってのは何かいいね。
初めて行ったミュージカル(劇団ふるさときゃらばんのミュージカル)が、
ほとんど生音。バンドを従えてのミュージカルでね。
そこで効果音を出してる。
この舞台で出てきた楽器は…
琴、キーボード、シンセベース、ドラム、三味線、胡弓、鼓、太鼓、ギター、ピアニカ、
尺八、横笛、縦笛、ドラ、鐘、
覚えてるのでこのくらい。
あとは、手拍子、足拍子…。

この日、行く前に見てたテレビに
JAZZの綾戸智絵さんやピアニストの羽田健太郎氏が出てて
「いいなぁ、楽器弾けるって」
って言ってた矢先でこれだのも。
ほんと、つくづくいいなぁ〜、カッコいいなぁ、すげーなぁ、うらやましいと。
4日でピアノを辞めた自分が情けない。
ってか、先生との出会いにもよるだろうしなぁ〜と
自分を慰めたりして。

そんな観劇の日だった。

わらび座・響
1997年、それまでのわらび座音楽アンサンブルを土台に、
伝統と現代がぶつかり合う「新たな響き」を求めてスタート。
和洋楽器をコラボレイトした音楽とパフォーマンスによる独特の舞台を展開している。
わらび座HPより抜粋)